唇から歌う苦い言葉
夜を削るその言葉で昏い朝を待つ
白い死の腕を息継ぎで払いのける
透きとおった身体のぶつかり合う音を聞きながら
そこに触れようとするすべての視線を
葬るためにきみがいる
こころよい泉の冷たさが疑念を静かに溶かすことで
呼吸が詩であることを知る
うつろな頭は薔薇の夢を見る
花弁は瞬きながら目蓋に幻を重ねる
閉じた真実は飾られた波間に浸される
涙の落ちた大地をだれも見ようとしない
痩せこけた頬に危機を浴びせながら
淋しさの炎を慰めで埋めようとする
たゆたうリラの花を指先でなぞることで
この胸の美しい憩いを待ち望む