2025-04-14 投石機 詩 声は礫(つぶて) 瓦礫は身体 投石機で投げられる 生の なんとうまくいかないことだろう 矢のごとく石を放っても 震える弦は当たりどころを教えない 名人は弓を持たない わたしたちは 名手になれるかむずかしい 裸足のまま石を探っても 結局は踏みにじってしまう だれのために かたい意志は少しも欠けず 少しずつ汚れていく 流された後で知る 丸みを帯びた石のことを 金色の水流のなかでこそ かれらは 柔らかな目覚めに満ちている