砕かれた光の前で
引き裂かれた影を思う
芳しい思い出の花弁をつまみ
ひとつひとつ占いながら
束ねられた暗い茎は
過ちのように頸を青く垂らす
露を帯びた白い腕からは
粒だった水滴に映り込んだ慈しみの冷たさを知る
握りしめた茎はとたんに古く色褪せ
悪意のような葦がはびこる
切り傷の血が流れる水と混ざり合い
細い葉は揃えた産毛を刺々しくけばだたせる
痛みに耐えかねて手を離しても
陽の兆しは見えてこない
やがて月の光が狂いながらつらぬいて
わたしは導かれるようにあてられる