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Reminder / ToDo

十八番目の月

 砕かれた光の前で
 引き裂かれた影を思う
 (かぐわ)しい思い出の花弁をつまみ
 ひとつひとつ占いながら

 束ねられた暗い茎は
 過ちのように(くび)を青く垂らす
 露を帯びた白い腕からは
 粒だった水滴に映り込んだ慈しみの冷たさを知る

 握りしめた茎はとたんに古く色褪せ
 悪意のような葦がはびこる
 切り傷の血が流れる水と混ざり合い
 細い葉は揃えた産毛を刺々しくけばだたせる

 痛みに耐えかねて手を離しても
 陽の兆しは見えてこない
 やがて月の光が狂いながらつらぬいて
 わたしは導かれるようにあてられる