Idle mode

Reminder / ToDo

多面体の鉢

〈わたし〉という聖なる受け皿に
 生の神酒(みき)をなみなみとそそぐことができたのなら
 淡く透明な首に縄を添えることもない
 審判は含ませた口の舌触りでわかる

 鋭敏な精神は受け皿を突き破りかねない
 支えていた自己は破れ目に取って代わる
 だれかの土足しかあいかわらず穴に吸い込まれなくて
 踏みしだかれた肌から泥のような根が咲く

 古い花はむずかしいから一向に咲かない
 大地の聡い涙を吸って一筋に根は伸びる
 途中で曲がりくねったりもする
 けれども粒だった土に抱かれて眠るから歪みはしない

 さかしまに青い根が伸びる
 葉をつける
 柔らかな息を吹き返していた
 蕾が