Idle mode

備忘録

二度目の金縛り

 十五日の深夜、二度目の金縛りに遭った。ただほんとうに心霊現象かどうかはわからない。単に明晰夢の一種であるようにも思える。

 タイミングがいいのでWikipediaの金縛りの項目をなんとなく読んでいたら、医学的には睡眠麻痺と呼ばれているのを知った。それに、金縛りの前兆についての記述が一度目と二度目のときの自覚症状によく思い当たった。

 二度目のときも、ふっと目だけ冴えたかと思うと、ほどなくして耳元でゴオゴオと風が唸るような耳鳴りが聞こえてくる。すると、身体全体に何かがのしかかったような強い圧迫感がかかり、そのまま身体が石のように固まって動かなくなった。指一本どころか視線すら動かせず、とっさに声を出そうとしても、まったく声が出てこない。やがて、半開きの手に誰かの細い腕を握っている感覚と、聞き取れるかそうでないかの低さでボソボソ囁くような声が耳元で聞こえてきた。

 こんな状態がしばらくつづいていたので、(なんとかできないかな……)なんて思っていると、 「コ・レ・デ・イ・イ……」というかすれ声が聞こえてきたので、あらん限りの喉の力で「いいわけあるか!」と叫んだ(念じた)ところで、金縛りは解除された。どっと脱力感があふれ、気づいたときには早朝だった。その後しばらく放心していた。寝つけない時間からそのまま金縛りに移っていったような記憶しか曖昧に覚えてないから、ほとんど寝た気がしなかった。

 とりあえず、今後金縛りについては睡眠麻痺というキーワードを手がかりに調べてみようと考えるきっかけになったので、ためになる体験だったと思う。だからといって、あの感覚を次も味わうのはごめんこうむりたい……。